ご挨拶

 医学の発展において、基礎研究とともに臨床研究が重要であるにもかかわらず、先進国の中で我が国における臨床研究は大幅に遅れているのが現状です。その要因の一つとして、臨床研究を行うための環境が充分でないことが挙げられます。
 臨床研究を実施していくためには、科学性・信頼性とともに高い倫理性と、利益相反にも配慮した透明性・中立性の確保が求められます。

 このような背景の中で、臨床研究の円滑な実施を推進し、科学性・信頼性・倫理性・中立性が確保された臨床研究の実施を支援する組織として、九州臨床研究支援センター(略称:CReS九州)は、2004年に設立されました。設立に当たっては、九州地域の大学病院で臨床研究・治験に指導的な立場におられる先生方にご賛同いただき、理事に就任いただいております。
 現在では、九州地区にとどまらず、北海道から沖縄まで全国レベルでの多施設共同研究を支援しております。

 CReS九州では臨床研究を支援するために、CRC(Clinical Research Coordinator)、生物統計家、 データマネージャー等の専門家を擁することにより、世界水準の質の高い支援を目指しております。 特に、研究者主導の臨床研究に対しては、研究グループに対する支援から、プロトコールの作成、 症例登録と割付、症例報告書作成・回収、データマネジメント、モニタリングと監査、統計解析、研究発表までの支援体制を整えており、 すでにCReS九州が支援した臨床研究において国際学会での発表や著名なジャーナルでの論文化も行われております。 なお、CReS九州は、その財源を個人・企業からの支援で支えられておりますが、医療機関とは独立した 非営利の一般社団法人であり、利益相反にも配慮した透明性と中立性を確保した組織として高い評価をいただいております。 CReS九州は、我が国の臨床研究の活性化のために、より優れた環境を提供すべく尽力しておりますので、 ご支援賜りますようお願い申し上げます。



一般社団法人
九州臨床研究支援センター 代表理事
(北九州市立病院機構 理事長) 中西 洋一